喝采

(The Country Girl 1954 米 104min モノクロ)


喝采  かつてのミュージカル・スター、フランク(ビング・クロスビー)は、ひとり息子の事故死以来、酒びたりになって落ちぶれています。彼の妻ジョージー(グレース・ケリー)はそんな彼を立ち直らせることにも疲れ、笑うことすら忘れ、心を閉ざしています。

 しかし演出家であるバーニー(ウィリアム・ホールデン)は、そんなフランクの才能を信じ、新たなミュージカルの舞台の主役に彼を抜擢しようとします。

 ストーリーはフランクがミュージカル・スターとして立ち直る過程と、バーニーとジョージーの対立を軸に進みます。

 やがてジョージーはバーニーとのぶつかり合いにより女性としての感情を取り戻し、バーニーはジョージーを愛していることに気付きます。

 三人それぞれの性格が実によく描けていて、そのぶつかり合いによるドラマが迫力満点で、見ていて思わず引き込まれてしまいました。

 製作から五十年を経た作品がこれほど新鮮な感動を与えてくれることに、正直驚きました。人物描写の確かさがあったからこそ、年月に色あせることがなかったのだと思います。

 監督はジョージ・シートン。原作はブロードウェイでヒットした戯曲でアカデミー脚本賞を、グレース・ケリーがアカデミー主演女優賞を受けています。

(2005.05)

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